猫の恩返し

ある夏の日、私は【幸せ】とゆう名の原石を拾った。

猫4匹とアラサー1人、賑やかに生活中。

チビマルがゆく

8月22日。チビマルのお届けの日がきました。



その日は仕事の後、そのままFさん宅にチビマルを連れていく段取りになっていました。



営業所内をコロコロと走り回るチビマルをママちゃんの元に連れて行き、最後だからとお乳タイムを作ってあげました。



過去にも捨て猫を拾っては里親探しをしていたので、保護猫との別れは経験がありましたが、母猫と子猫を引き離すのは初めてで心が痛みました。



お乳タイムが終わり、ママちゃんや兄弟猫にお別れのチューをさせ、ママちゃんにご飯をあげて隙を見てチビマルを車に乗せ、営業所を後にしました。



Fさん宅までは車で1時間かからない位。



その間チビマルは、洗濯ネットに入れられタオルでくるまれ、とても良い子でした。



小さくて儚くて可愛い可愛いチビマル。

これで安泰だ、安全だ、と頭では分かっていても、やはり別れを考えると辛かったです。



待ち合わせ場所に着き、Fさんはキャリーを持って出迎えてくれました。



チビマルは尻尾に少しハゲがあったので、その事や他にも色々な事をFさんとお話しなければと思っていたのに、私ときたら込み上げてくる涙が堪えきれそうになく早々に引き上げてしまいました。



帰りの車内では空っぽになった洗濯ネットを膝に乗せ、シャクり上げる程に泣きました。



こうしてチビマルは、Fさん宅で里親さんが見つかるまで暮らす事になりました。



数日後のチビマルと、先住猫のミケちゃん



Fさんの一時保護の申し出には、数年経過した今でも本当に感謝しています。

オマケ話

ママちゃん一家を餌付けした当時、所長や先輩はママちゃん一家の営業所への出入りを黙認してくれていました。



しかし本社の人間には内緒です。



本社の人間は週1ペースで突然現れます。

内緒にしながら、普段はこんなにも堂々と営業所内で自由にさせていました。

ママちゃんのおっぱいだけでは腹持ちが良くないかもしれない、離乳食をあげても良い頃かもしれない、と当時、猫用のカリカリをふやかして猫缶を混ぜた物を子猫達に与えていました。



そんなある日の昼休み。



猫用カリカリをふやかしている所に、本社の人間が来てしまい、タッパいっぱいのそれが見つかってしまったのです。



『これはなに?』とふやかしフードを指差してこちらを見る本社の人間。



ヤバい~(;゜Д゜)と内心焦りながらも、至極冷静を装い、あろうことか

『海外製のシリアルです。お通じが悪くて。』

と答えてしまったのです。



答えてしまったからには…ね。



タッパいっぱいの猫用ふやかしフードを、私、食べました(笑)。



味は美味しくなかったです(笑)。



幸い猫達も床下から出て来ず、本社の人間にバレる事なく無事にその場をしのぐ事に成功しました。



今では笑い話ですが、ふやかしフードを食べている時の私は呼吸を止めて、一気に食べて、『美味しいんですよ~』と作り笑顔も忘れずの完璧な役者っぷりでした(笑)が、二度とごめんです。

チビマルの一時保護先決定

『子猫達だけでも早くなんとか…』と日に日に焦りが濃くなり、本当にもう限界かも…と思ったある日。



ある方から『女の子(チビマル)なら一時保護出来ます』と、とっても嬉しい連絡を頂きました。



その方は、私がママちゃん達と出会う前からSNSで少しやり取りさせて頂いていた方で、先住猫ちゃん(♀)を乳飲み子時代から育てあげた経験のあるベテランさんでした。



有難い申し出と安堵感で、メッセージを見ながらその場で泣き崩れてしまったのを今でも覚えています。



『チビなのに沢山ご飯食べて、ハナマル!』を略してチビマルと名付けた小さな小さな女の子。

ママちゃんを押し退ける程のご飯へのガッツキぶりと執念に驚かされた事も多いですが、一番早く私に馴れた子猫でもありました。



イイコイイコ♪



その方、Fさんにチビマルをお願いする日は8月22日に決まりました。